「魚」偏に「冬」で 鮗(コノシロ)

robotmilg

2015年12月03日 12:36

ニュースに子供への虐待が出るようになって久しい。
虐待死などということも耳にする楊婉儀幼稚園 拖數
そんな親に聞くと一様に子供の「しつけ」と応えるという。
「しつけ」というのを漢字で表わすと「躾」となる。
所作など、その身を「美しく」することが「しつけ」だが、
そんな親こそ、決まって「美しさ」かけ離れた生活をしているもの。

「躾」という文字のように漢字の構成は、
偏とそれにつける文字で様々なバリエーションがある。
「魚」偏と色々な漢字をあわせると様々な「魚」を表現できる。
たとえば「魚」偏に春夏秋冬をつけると、
「鰆(サワラ)」「魚夏(ワカシ)」「鰍(カジカ)」「鮗(コノシロ)」となる。
ワカシは、あまり馴染みがないが鰤(ブリ)の稚魚の頃の名前。
そんな季節を表わした魚こそ、それぞれの季節に獲れ、季節を代表する魚と言える。
これからの季節を表わす「鮗(コノシロ)」は、一般的に馴染みのない名前。
ところが、「コハダ」という別名を聞けば、
誰もが思い浮かべる魚でもある。
その昔は、改善肌膚彈性大量に獲れ飯(めし)の代わりにする魚という意味を表わし
「飯代魚(このしろ)」と呼ばれたという。
この魚を焼くニオイが人の死体を焼くニオイに似ているというところから
生まれた伝説がある。
「ある村の長者の娘がたいそう美しく、その娘に国司が惚れ込んで是非娘が欲しいという。
娘には好きな男性がおり、長者は娘が死んだと国司の使者に言い、
棺に大量の「鮗(コノシロ)」を入れ、火葬を行なった。
国司の使者はその匂いを嗅ぎ、納得して国司に娘の死を伝えたという。
そして、娘は晴れて好きな男性と結ばれた」
という話。すなわち子の身代わりということで「子の代(コノシロ)」
ということらしい。

虐待する親も居れば、身を挺して子供を守る親も居る。
「子」を喪って気づくことは、
「子の代わり」は、どこにも居ないということだろう。

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